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335 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20 34 19 ID wqwK8cNq ねぇ、君は可愛いものが好きかな? もっと言うと女の子が好きかな? あーんど、その女の子は少ないより多い方が良いよね? …オーケー。 そこまで分かってくれる君なら、私が可愛い女の子をたくさん集めてウッハウハになりたいって気持ちも分かるよね? わたしは一原百合子! この夜照学園高等部2010年度生徒会会長!! 夢はでっかく、世界一のハーレムを作ること! …なんだけどね 336 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20 37 10 ID wqwK8cNq 「ふぅ…」 昼休みの生徒会室でわたしはため息をついた。 ポニーテールにした茶色がかった髪にハッキリとした目鼻立ち。 自分で言うのもナンだけど、控え目に言って少女漫画のヒロイン位はやれる容姿だと思う。 明朗快活な正統派って感じで。 「上手くいかないものね、わたしのハーレム拡大計画は」 パサリ、と手に持った書類を長机の上に投げ出す。 その書類は生徒会活動に関するもの―――ではなく、学園内の美少女リストである。 ほとんどの少女の名前にバッテンがついている。 いずれも、わたしのハーレム加入要請をやんわりと断ったか、他に思い人が居るかのどちらかである。 「某生徒会の○存シリーズに例を取るまでも無く」 両手を後ろ手に組んで無感動な口調で語るのは、夜照学園高等部3年で生徒会副会長の氷室雨氷ちゃんである。 若干17歳にして、大人びた容貌の眼鏡ッコだ。 「自分からハーレムハーレム言っている人間は、周囲からドン引きされてしまうものです」 眉ひとつ動かさずに、聞きたくない所をズバーっと言ってくれる雨氷ちゃん(以下うーちゃん) ちなみに、かく言う うーちゃんも私のハーレムメンバーの1人だったりする。(いやホント) 「私は好きだけどね、あの主人公。生徒会に入って第一声がメンバーへの告白なんて、男ながらアッパレよ。女の子にもマメだし」 はしたなく椅子の上に胡坐をかきながら、わたしは言った。 ちなみにこの姿勢、下手をしたらパンツが見えるのだが、今この生徒会室に居るのは私とうーちゃんだけなので何ら気兼ねする必要は無い。 むしろ、見せているのである。 誘い受けである。 「そもそも、私には会長のハーレム拡大計画にどんな意味があるのか分かりかねます」 「ハーレムは女の浪漫よ、うーちゃん!?」 うーちゃんの言葉に思わず立ち上がって反論するわたし。 「そもそも…」 感情を感じさせない声で言葉を紡ぎながら、後ろ手に組んでいた手をほどくうーちゃん。 その手をピタリとわたしの喉元にあてる。 あ、ゴメン、言い間違えた。 正確には「その手に『持った大ぶりのナイフ』をピタリとわたしの喉元にあてる。」だった。 いやー、思わず意識的に言い間違えちゃった。 ……現実逃避したくて。 「私があなたのことを100人分は愛しているのに、どうしてそれ以上を求める必要があるのですか?私の愛情に何の不満があるというのですか!? うーはとてもとてもとてもとてもとてもゆーちゃんのことを愛しているのですよ!?ゆーちゃんがいなければ生きていけないカラダなのですよ!?なのにどうしてどうしてどうしてどうして…」 ああ、私への呼び名が「会長」から「ゆーちゃん」に! いつもはベッドの上でしか言ってくれないのに!! これがデレか… うわ、デレたのにナイフ突き付けられてるから全然嬉しくない!!! 「まぁまぁ落ち着いてうーちゃん」 「うーは落ち着いています!!」 一人称うーでも敬語は変わらないのね。 「確かに、うーちゃんがわたしのことを愛してくれてるのは知ってるわ!おはようからおやすみまでわたしのことを見守ってくれてるし、わたしの分のお弁当は拙いながらも作ってくれてるし、メールは1日100件以上だし。 正直ウザいとか思わないでもないけど、そのウザさが興味深い位ゾクゾクするくらい愛しいわね!でもね、人間とは欲深なものなのよ!!たった1人の重い位の愛だけじゃ満足できないの!!たった1人より大勢の娘の愛が欲しいのよ!!」 「何と言う最低理論!?けれど、それも含めてあなたなのですね!!」 「ああ、最低な恋人(わたし)に苦悩するうーちゃん萌え!!」 「だから、わたしを殺してあなたも死にます!!」 「逆!?」 わたしが死亡フラグを立てまくっていたその時、生徒会室の扉が勢いよく開け放たれた。 「ちょっと待ったぁ!!」 337 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20 37 32 ID wqwK8cNq そう言って生徒会室に入ってきたのは高等部一年の一原愛華。 生徒会での役職は庶務。 その名の通りわたしの実の妹である。 身長も胸もわたしやうーちゃんには及ばないが、無いは無いなりに良いものだということに気づけたのは、愛華=あっちゃんのお陰である。 「お姉はアタシと添い遂げるんだからね!副会長さんは離れて!」 ああ、ツンデレになろうとしてもなりきれない妹萌え!(ただ今ナイフを向けられ中) 「黙りなさい、庶務!実の姉に欲情する変態が何を言っているのですか!!」 「うるさい!!そんなこと言ったら女に欲情するアタシら全員変態じゃない!!」 ああ、あっちゃん。 わたしのために頑張ってくれるのは良いんだけど、辛い現実を突き付けないで。 「だとしても、ゆーちゃんは私のことを愛しいと言ってくださいました!イコール添い遂げるべきは私!」 うーちゃん、うーちゃん、興奮のあまり論理展開が破綻してるわ。 開始数分でクールキャラを脱ぎ捨てないで。 ギャップ萌えの甲斐が無いわ。 「アタシなんてあの伝説の大桜の下でお姉に『大好き』って言ってもらったんだから!」 「そんな設定があったのですか!?」 うーちゃんが驚き、わたしの方を見る。 「しょーがないじゃない!桜の花の下で『お姉、だいすき!』なんて言われて抱きつかれたら『わたしも大好きだよー』って言うしかないじゃない!可愛すぎてエッチシーンに突入するしかないじゃない!」 「アタシはお姉のそう言うサイアクな所もだいすきだよ!」 わたしの開き直りに、あっちゃんがこれまたズバッとツッコンでくれる。 あっちゃん、たくましい子……! 「…どうやら、あなたは排除する他無いようですね」 「奇遇だね!アタシも副会長さんは地獄に行ってもらわないとって思った所だったんだ」 ナイフを向けるうーちゃんに、どっからともなくバットを取り出して、あっちゃんが応じる。 …そう言えば、あっちゃんは女子野球部だっけ。 こりゃまたトンデモバトルが見れそうだわ。 見るつもりもないけど。 二人の意識がわたしから逸れた隙に、ソロソロと逃げ出すことにしよう。 ぶっちゃけこの場に居たら身がもちそうにない。 「ハッ!ゆーちゃんが居ません!」 「アハ!お姉はアタシのなんだからねー!」 私が生徒会室から離れると、2人の殺気だった声が聞こえる。 「「待てええええええええええ!!」」 「アハハハ、追いついてごらんって言うか追いつかないでー!」 338 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20 38 51 ID wqwK8cNq うーちゃんとあっちゃんから全力疾走で疾走で逃げていると、出会いがしらにとある巨乳と正面からぶつかりそうになる。 「OH!マイハニーユリコ。どうシたのデスか?」 「あ、エリちゃん先生!」 この金髪美人は英語教師のエリス・リーランド先生。イギリス人で通称エリちゃん先生。 「エリちゃん先生、ウチのハーレムが暴走してるんです!何とかなりませんか!?」 エリちゃん先生の後ろに隠れながら、わたしは言った。 「ソういうコトなら、ワタシの家に避難しましょウ。ジャパニーズスタイルのアパートでスが、ユリコ好みのカワイイコーディネイトなノで、一生出たク無くなりマス」 「エリちゃん先生ルートは監禁ルート!?」 リアクションを取るわたしの肩を掴み、どこかへと引きずろうとするエリちゃん先生。 「…先生、力強いですね」 「ムカシ、キックボクシングで体力を付けまシたから」 「その体力をこんなトコで使ってほしく無いかもです」 「ダイジョウブです。痛いのハ最初だけでスから」 「いや、最初も何もわたしと先生は何度となくキャッキャウフフしていたような…」 「さァ、let goです。二人だけのElysionへ!」 「明らかに人生の奈落へと堕ちるルート!?」 と、その時、エリちゃん先生が眠るように倒れこむ。 先生の首筋には眠り薬が塗られた手裏剣が。 339 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20 39 30 ID wqwK8cNq 「無事でござったか、百合子殿」 「しぃちゃん!!」 川のせせらぎのように清楚可憐な声を古風すぎて最早ギャグな口調で台無しにしているのは、高等部二年で生徒会書記の李忍(り・しのぶ)。 通称しぃちゃんだ。 中国人と日本人のハーフで、中国人のお父さんがなぜか(微妙に間違った)日本マニアの忍者マニアなので、可憐な雰囲気の彼女もその影響を大いに受けているカオス萌えな娘なのよ。 書道をしているお陰で字が上手いのは大助かりだけれど。 「時に百合子殿、我が家は対犯罪者用に八百万の罠を備えた忍者屋敷。よろしければ今すぐこちらに避難を。もちろん、そのまま一生出なければ最大限の安心安全が保障されるでござるが……」 「要は監禁されろと!?」 くぅ、この娘、妙な萌えを見出してハーレムに引き込まなきゃ良かったかも…!(でもかわいい) 「さぁ、百合子殿、今すぐ我が忍者屋敷に我が家の婿として…!」 「本音が駄々漏れよー!」 そんなことを言ってると、いきなりわたしの体が廊下に押し倒される。 「アハハハ、李も他のヤツらも馬鹿だなぁ。そんなに百合子が欲しいなら、問答無用で押し倒しちゃえば良いのにさァ!」 「りょうちゃんったら、何てワビもサビも無い事を!?」 わたしに馬乗りになってそう叫ぶのは、高等部二年で生徒会会計の霧崎涼子。 なぜか自分が男の子であるかのようにふるまい、ショートカットの髪型に男子制服に身を包んでいるが、女性らしい体つきを全く隠せていない。(特に胸とか) 「アハ、ゾクゾクするなぁ!ねぇ、分かる!?今からぼくの(自主規制)が百合子の(自主規制)を(自主規制)するんだよ!」 りょうちゃん、放送禁止用語連発中。 コレでも、普段はわたしに対して子犬のようになついてくれてるって裏設定があるのよ? 「りょうちゃん、りょうちゃん。りょうちゃんから乱暴に(自主規制)されるのもスリリングではあるんだけど、しぃちゃんもいるし、他のコ達もそろそろ追いついてくるから、また今度にしよ、ね…?」 「アハ、百合子は何を言ってるのさ。ぼくは男だよ!?あんなヒョロいばかりの女の子たちに負けるはずが無いじゃないか」 大きな胸を揺らしながらヒドいことを言うりょうちゃん。 ……この子、本気でアレな子じゃないかしら。最近心配になってきた。 と、狂ったように笑っていたりょうちゃんが乱暴に蹴っ飛ばされてブッ飛ばされる。 「リョウコ、アナタのような生徒にはお仕置きにspankingが必要なようデスね。さぁ、アナタのassを数えなさイ!!」 見ると復活したエリちゃん先生が見事な蹴りを決めていた。 「言ってくれるね!たかだか女教師がさぁ!!」 屈辱に顔をゆがませ、懐から伸縮式警棒を取りだすりょうちゃん。 様子を見ていた しぃちゃんも背中から日本刀を引き抜く…ってソレ明らかに銃刀法違反よ!? 「それではわたしはこの辺で~」 ソロソロとその場を抜け出そうとするわたし。 「待って下サい、ユリコ!」 「お待ちなされ、百合子殿!」 「アハ、逃がさないよ百合子!」 もちろん、3人が見逃す筈も無く、すぐに追いかけてくる。 「待ってよよ、お姉ー!」 「私はゆーちゃんのもの!イコールゆーちゃんは私のもの!」 後ろを振り返ると、あっちゃんにうーちゃんも追いかけていた。 「たーすけてーい!」 叫びながら校舎内を全力疾走するわたし。 ふと、その光景を見ている一般生徒の会話が耳に入る。 340 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20 40 37 ID wqwK8cNq 「あー、またやってるなー、あの人たち」 「…確か、生徒会の人たちですよね?」 「そだよー、お前は生徒会長には近付いちゃいけないよー」 「…生徒会長さん、ですか?追いかけているいかにもアブない感じの皆さんでなく?」 「そうそう。理由はまー色々あるけれど……」 「…あるけれど?」 「あんなアブない人たちに『笑顔で』追いかけられている人が控え目に言ってマトモなわけなくない?」 「…なるほど」 341 :ヤンデレの生徒会長さん [sage] :2010/09/21(火) 20 41 17 ID wqwK8cNq わたしは一原百合子! この夜照学園高等部2010度生徒会会長!! 夢はでっかく、世界一のハーレムを作ること! ……なんだけど、それは当分上手くいきそうにない。 嫉妬深くも愛おしい、このハーレムメンバーが居る限り。 って言うかわたし、明日の命も知れぬ身なんじゃない!? お願いだから誰か助けてー!
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466 :名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 21 12 17 ID QElPBcRU ふう…今日も朝からいい天気だな。 「ねえ、しー君。昨日公園のベンチでしー君と一緒にいた女誰?」 こんないい天気の日には「待て!!しおり!!あれは違うはばばばばっ!!!?」して1日を過ごしたいな。 …そして僕の目の前でまた1組のカップルが誕生した。……確かあれは隣のクラスの石田君と木根さんだったけ。仕方ない先生に二人は欠席です。と伝えてあげるか。 これで今月の登下校中、5組のカップルが誕生した。 の内僕の学校から2組。 「本当にすご「よっ、瀧斗~。」 ……僕の数少ない友達(ほとんどの友達が不登校?になってしまったから)の中林 拓海(なかばやし たくみ)が声をかけた。 「おはよう。」 「おはよう!おい、見たか!?またヤンデレが動いたぜ!」 「見たよ。僕らの学校からだったね。」 「最近多いよな。」 うん。後さk「お~い!」 …二回目だよ言葉遮られたの。トホホ… 「wwwよっ土田ww」 シュビッ 「おはようっ!佐藤君!偶然だね♪」 手を挙げて挨拶した中林を無視し、僕だけに挨拶をする土田 祥子(つちだ よしこ)さん。 大きな目を爛々と輝かせながら、肩よりも少し長い茶毛を揺らし、僕(中林もいるが)の方へ走って来た。 「アタック~♪」 「!!!」 …訂正、僕(もちろん中林もいます)の方へ飛び付いてきた。 「い‥痛いよ、土田さん……。」 「もうっ!佐藤君そこは『おはよう』でしょう。」 「そのコメントだと、昨日『違うでしょ!そこはもっと親しみのある言葉……』って言っていたよね?」 「昨日は昨日、今日は今日だよっ」 相変わらずのテンションのおかしさだ。 「W「俺の存在がwww」 …中林、次僕の言葉遮ったら、 「ただじゃすまないよ?」 「「何が?」」 中林と土田さんがハモってそう言った。面白い。 「………おい、しげみっ、何ハモってんだよっ」? 「す・すいません…」 土田さんが中林とハモったことが大層気に入らなかったのか、かなりドスの効いた声で中林を圧倒していた。………仕方ない。数少ない生き残りの友だ。助けるか。 467 :名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 21 44 52 ID QElPBcRU 「それよりも土田さん。いつもいつも偶然って感じだけど、いや偶然じゃないよね?」 えっ?偶然だよ~♪」 ダキッ 「うんわかった。とりあえず、抱きつかないで」 「偶然だよ~」 どんな偶然!? こんなやり取りをしていたらいつの間にか酒屋さんの前にまで来ていた。僕の中ではこのやり取りは楽しいのかな? と、そこで 「おはよう」 「おはよう」「オッス!」「それでね~昨日は… 数少ない友達パート2の井上 聡(いのうえ さとし)が僕達と合流した。三者三様の挨拶……一人違うか…今なお僕の隣にいる土田さんだけが井上を無視して、僕に話しかけている。挨拶ぐらいしようよ…。 「相変わらずだな」 「そっちもね」 「~♪」 井上の後ろから抱きついている一人の女性に挨拶をした。 「おはよう、都塚さん」 「おはよう、佐藤」 「おい、玲お前いつからいた?」 「今さっき♪」 都塚 玲(とづか あきら)さん。容姿端麗、文武両道、クールキャラの人だ。 とても長い黒髪をなびかせながら歩く姿は本当に華麗で現代の大和撫子みたいな人だ。常にクールだが井上の前だと、メチャクチャデレるのがギャップ萌というのか、本当に可愛いらしい方だ。 「おい、都塚さん。私の佐藤君に媚びいれないでよ…」 土田さん、僕はあなたの物じゃありません。 もうおわかりだと思うけど、土田さんはヤンデレです。僕に対する。過去の出来事で危うく童貞が奪われる時もあった。 都塚さんも今は過激な動きを見せていないが、多分井上loveのヤンデレだろうと予想している。 「何を言うの?佐藤はあなたの裸体でも妄想していたんだろう」 してません。 「えっ!?マジ…!?」 違うよ。 「キャ♪佐藤君たら~…見たい?」 「全然」 「恥ずかしがっちゃって~♪」 ダメだ。聞く耳持ってくれない。 「玲離れてくれ」 「なんでだ?」 「邪魔」 「またまたそんなこと言って、本当は嬉しいのだろう?」 「俺空気?」 向こうも向こうで大変そうだな。てか中林、泣きそうになんないでよ。毎度。 468 :名無しさん@ピンキー:2010/05/25(火) 22 23 43 ID QElPBcRU 「早く離れろ」 「いやだ」 「いいから早く、この貞子」 「ぷっwww」 「!!!!!!」 ぶんっ 「コペルニクス!?」 井上の発言に笑った中林が突如地面にへばりついた。 「何がおかしいんだ?しげみ?」 ちなみに中林が何故女子から“しげみ”と呼ばれているかというと 「“中”途半端な“林”だからっ」と、この前土田さんから聴いた。 「何もおかしくありません…」 地面にへばりつきながら喋るなんて器用だな。 「なら何故笑った?……しげみ覚悟しろ。今日こそお前を……」なんか展開ヤバくない? 「イケイケ~玲ちゃん!」 応援やめて!くそ、また助けなけなきゃ。 「そ・そういえば、井上はポニーテールが好きだよね!メチャクチャ?」 「ああ、大好きだ」 「いえ~い!!ポニーテール最高!愛してる!」 「可愛いもんね!」 「「!! 」」 よし、なんとか食いついた。都塚さんが中林への攻撃を中断し、ポニーテールにしていた。…ついでに何故か土田さんも食いついた。 「…うん!どうだ似合うか?」 「ああ////」 なんかいい感じになったな。 「 」いそいそ …土田さん、それはちょんまげだよ…。 「…ああ、もう別にいいもん!素の自分で頑張るし」 まあ、今のままでも可愛いと思うけど。「助かった…サンキュー瀧斗」 「どういたしまして」「いつつ…俺先に学校行って保健室寄るわ」 「ああ、うん」 小走りで先を急ぐ中林。 「おい、しげみ」 しかし、都塚さんが中林の前に立ちはだかった。 「ひっ…なんでしょう?」 「…私になんか言うことあるだろう」 「!!す・すいませんでした-」 おお!見事に90度だ。上手いな中林。「……ちっ、まあいいよ」 都塚さんはまだ納得のいかなそうな顔でしぶしぶ井上の隣に戻っていった。 「ねえ、佐藤君はこのままでも大丈夫だよね?」 土田さんが自分の髪の毛を触りながら尋ねてきた。 「うん」 「へへへ♪」 「どうした玲?浮かない顔して」 「………」 パサッ 「やっぱり私も素で頑張る」 都塚さんは変に土田さんに対抗意識があるのか、ポニーテールをやめていつも通りになった。 そして中林は先に学校に向かったので、その後、中林を除いた4人で登校しました。 以上登校中の出来事でした。
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住人を装ってヤンデレ呼ばわりしていたがボロを出してバレる 603 名前:最低人類0号[sage] 投稿日:2008/07/15(火) 15 17 09 ID Z0TYegJx0 なんだ劣化はヤンデレなのかw 622 名前: 最低人類0号 [sage] 投稿日: 2008/07/15(火) 16 44 56 ID Z0TYegJx0 くっそ ついうっかり書き込んでしまった! 因みにカスのヤンデレ・ツンデレ・クーデレの説明 ヤンデレ:好きとかいって包丁振り回す ツン:別にアンタの為に クー:長門 見事に説明できていない
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役割カード一覧へ戻る ヤンデレ 陣営:パートナー陣営 季節:春 収録:基本セット テキスト 目的―各パートナーと各ステージボスを倒す。ヒロインを守る。 くされ縁―あなたが倒されたとき、ヒロインが持っているすべてのIアイテムカードを捨て、手札のカードを2枚まで選び、残りのカードを捨てなければいけない。 *「Iアイテムカード」となっているのは誤植だと思われる 説明 ヒロインを守ることがメインですが、自分が倒されてもヒロインの大幅なディスアドバンテージとなり、ヒロインの助けとなるパートナーを倒すことになるので勝ちにくく、少々厄介な役職です。 8人ゲームの時、ヤンデレはヒロインが倒されていてもライバルが生存していればライバルが新しいヒロインとなるため、勝利することはできます。 ヤンデレが倒されて役職が公開された時、ヒロインは直くに手札を捨てなければならず、一切のカードによる行動を起こすことはできません。 目的はヒロインを守ることであって、生き残らせることは目的ではありません。よって、ヒロインが倒されていてもゲームが続行していればパートナーが各ステージボスとエキストラボスとパートナーを倒すことによって勝利することができます。 ただし、ヒロインが倒された時にステージボスなどのヒロインを倒すことだけが目的の役職を持つプレイヤーが居たならば、そのプレイヤーが目的を達成してヤンデレが勝利条件を満たす前にゲームが終わってしまいます。 詳細な処理 エクストラボス/チャレンジャー 残っているプレイヤーがヤンデレとエクストラボスとチャレンジャーの3人だけの時、ヤンデレはエクストラボスとチャレンジャーをラストワードなどの同時に攻撃するカードで同時に倒さないと勝利することが出来ません。
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434 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 16 42 ID E//dvSBC 拝啓 御神千里様ゴールデンウィークを終え、学園自慢の大桜も花もひとつ残らず散ってしまいましたね。 花の命もはかないものと言いますが、こうして散っていく様を見ますと少し寂しくも感じますね。 毎日お昼休みになると大桜の下で一時の休息をされる御神くんも同じ思いだと存じております。 毎日拝見させていただく御神くんの安らかな寝顔は、呆気なく散っていく大桜の花などよりも麗しく、私の卑しい心が癒されております。 ただ、大桜の木を物憂げに見つめる貴方を見る度、視線を向けられる大桜に悔しさを覚えることもあります。 ああ、大桜!大桜!大桜!大桜!大桜!樹木の分際で御神くんに見られ観られ魅られる栄誉を得ている大桜を、何度燃やしてしまおうかと思ったことでしょう。 あるいは、私以外のものに向く御神くんの視線を、眼球をえぐり取ってでも独占してしまいたいと何度思ったことでしょう。 ご挨拶はこれくらいにして、今回こうして突然のお手紙をお送りしたことをまずはお詫び申し上げます。 ですが、貴方様にどうしても、この命に代えても叶えていただきたいお願いがあってお手紙を送らせていただいた次第なのです。 聡明な御神くんならもうお気づきのことでしょう。そう、大桜。 435 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 20 55 ID E//dvSBC 四月には見事な花を咲かせていた大桜。その下で愛を誓い合った男女は必ず結ばれ、その愛は永遠となるという伝説のある大桜。 憎々しくも忌々しくも私達にとって最後の希望である大桜。その大桜の木の下にいらしていただきたいのです。理由は言うまでもないものと思います。 私はあなたを愛しているから。私は御神くんを愛しています。好きです。好きです。大好きです。超愛しています。いえ、超なんて言葉では足りません。 大愛しています。その十倍愛しています。百愛しています。千愛しています。万愛しています。億愛しています。極愛しています。極大愛しています。 とにかく愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛し愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛してます。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 愛しています。愛しています。愛しいます。ています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。愛しています。 436 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 23 38 ID E//dvSBC 愛さずには居られません。あなたをずっとずっとずっと1年365日見続けて愛せない女がいるでしょうか。 もしそんな女がいるのなら、それは女ではありません。人間ではありません。動物ではありません。 生物ですらありません。むしろ生きる価値がありません。あ、でも、私と御神くんの仲を引き裂こうとするモノも生きる価値とかありません。 そう思うだけでも罪です。存在するだけでも罪です。 判決で言えば死刑です。いえ死刑でさえ生ぬるいですよね。愛を邪魔するモノは存在するだけで罪なのです。周囲に毒を振りまいているようなものです。 存在自体が毒です。そんなモノが今この瞬間存在して酸素を消費していると考えるだけでも怖気がしてきませんか?してきますよね。私は毎日怖気を感じています。 怖くて夜も眠れないです。あ、そう言う話じゃありませんでしたね。とにかく、大桜の木の下にいらしてください。私の愛を受け取るために。愛の為に。 もし万に一つ、いえ億に一ついらっしゃらない場合は、当方どんな手段を用いてでも来ていただく覚悟があるのでご了承ください。 それでは、また会える時を一秒千秋の思いでお待ち申し上げております。 あなたの緋月三日より 437 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 25 54 ID E//dvSBC 「字大杉」 あ、上手いこと言えなかった。 もとい、俺こと御神千里(みかみせんり)は下駄箱の前で、そう突っ込まずにはいられなかった。 下駄箱の中に入れられていた、「御神千里さまへ」と書かれた手紙。 内容は「恋がかなう伝説の大桜の下に来てください」 今時ベタを通り越して古風でさえある手法。 こうした類の物を受け取った際はドキドキしたり舞い上がったりするのが礼儀なのであろう。 それに対して、我ながら無粋な感想を言ってしまったものである。 大体、送り主がこの場にいるわけでもないので、口に出して言っても仕方ない。 「うーい、みかみんどーした。ってなんっじゃこりゃあああああ!」 後ろからクラスメートAがどっかのドラマみたいな声を出した。 「誰がクラスメートAだ…じゃなくてこのヤンデレた手紙だよ!」 クラスメートAこと親友(悪友?)の葉山正樹が強烈なツッコミを入れてくる。 「んーこれー?入ってた」 自分の下駄箱を指さし、俺は笑顔で答えた。いやまぁ、普段から糸目だからあんま変わらないけど。 「あー、ウチの学園って扉付きの下駄箱だかんなー。そういうのも出来るんだよなじゃなくて手紙の内容だよ!笑えねーよ!不幸の手紙かよ!『愛してます』とか上から下までみっちり書いてあるし!」 「字、綺麗だよねー」 「確かにキレーだがよ!内容がこえーよ!むしろ見た目からこえーよ!誰だよこんなの書いたの!」 矢継ぎ早に突っ込んでくる。 一言で通常の三倍くらいになって返ってくる男だ。 「名前はあるけど、コレ、何て読むと思う?」 最後の行(て言うか便箋の一番下)を指さす俺。 そこには『緋月三日』と書いてある。 「ええっと、どれどれ…ひ、づ、き…ひづきみかァ!!!」 あ、エクスクラメーションマークが増えた。 って言うかそれくらい驚いた。 「よく分かったねー。ソレ、『みっか』って読むのかと思った」 「…え、アレ、知らないの?って言うか気付いてないの?」 まるですごい意外なことのように、問いかける葉山。 438 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 26 32 ID E//dvSBC 「もしかして、俺知ってる?そのコ?」 あんま人間関係にはコダワリ無いからなぁ、俺。 「いや何ってありゃお前のストー…ヒイイイ!」 何かを言いかけて、まるで幽霊に会ったような叫び声を上げる葉山。 「どしたの?」 「ああ、い、いや、何か背後から怖気が…。いやまぁ、マジメな話、同じ名前のヤツ、ウチのクラスにいるぜ?」 そーなの? 「よく覚えてるよねー。4月に同じクラスになったばっかりなのに」 「いや、近くの列のヤツ位覚えとけよ」 「近くの人はお前しか覚えて無いからなー。」 「そりゃ、オレは隣の席だからな!」 そんなトークをしながら、ちょっと自分頭の中を検索する。 確か、後ろの方の席の… 「あー、あの?」 やっと思い出した。 「そうそう、あの地味ーで暗ー…ヒイイイイイイイイイイ!!」 葉山はまた怖気を感じたらしい。 風邪かな? 「地味ってか、髪長い子だよね。すごいキレーな」 「キレー?お前あんな感じの顔が好みなん?」 「髪の話ー。ぶっちゃけ、顔はまだ覚えきれてない」 僕は答えた。 教室の中に時々、何やら触りたくなるほどサラサラヘアーの女子がいるとは思っていたのだ。 「…ちょっと行ってみたいかも、大桜の下」 「ええー!」 僕の呟きに、大げさに驚く葉山。 「なぜそんな驚くかな」 「だって、緋月って地味だし友達もあんまいない感じだしヒイイイ!」 また叫びだす葉山。 そろそろ本気でコイツの体調が心配になってくる。 「葉山、はやまん、風邪っぽいならとりあえず保健室行っとく?あと、風邪に効く料理のレシピとかも書くわ」 「お前って意外と甲斐甲斐しいよな…」 大丈夫、と手をひらひらさせつつ、葉山は言葉を続ける。 「と、とりあえずその手紙はイタズラなんじゃね?多分」 「イタズラ?」 「木の下に来てくださいってハナシでここまでみっちり書く奴はいないぜ、フツー?」 葉山の言葉には納得しかねるモノがあるが、この手紙の内容には微妙に足りない部分がある。 それが無い以上、リアクションの取り様が無い。 ――ってコトはイタズラの手紙ってことになるのだろうか。 「まー、確かにイタズラっぽいけどねー」 「だろ?だろ?んじゃ、この話はコレでおしまいだよな!」 どこか強引にそう言いながら、話を打ち切る葉山。 そして、別の話題を葉山とダベりながら教室に向かう。 「でもなー」 葉山のバカ話を聞きながら、俺は呟く。 「イタズラでここまで丁寧にやる奴もいなくね?」 439 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 26 52 ID E//dvSBC 御神千里は気がつかなかったが、そのやり取りの一部始終を物陰から見ていた者がいた。 そして、その人物は今も千里の後ろ姿を見つめている。 「…イタズラ、なんてウソですよね。御神くん」 その人物はささやくように言った。 「…私、本当にどんな手段を使ってでもあなたを手に入れますよ…?」 そして、ぐっと両手を胸の前で握りしめる。 「…私、頑張ります」 440 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 27 57 ID E//dvSBC 緋月三日。 今年から俺と同じクラスになった少女。 内気そうな印象の少女。 友達は多くは無く、しかし居ないわけではなく。 成績は悪くはないらしい。 ただし、体育の方はどうも壊滅的のようだ。 体育の授業中に女子の方を見ると、何やらすっころんでいたり、いかにもどんくさいのが居たが、どうもそれが緋月らしい。 体型も触れれば折れてしまいそうな細身で、ぶっちゃけ運動には向いていない。 華奢と言えば聞こえは良いが、その分胸囲とかは察してくださいとしか言いようがない。 そして何より髪が綺麗。 今時珍しく腰まで伸ばした長い髪は柔らかそうな髪質のサラサラしたストレート。 色白細身な体系もあって、いかにも和風美人(?)といった感じである。 まぁ、不細工と言うほどの顔立ちではないが、誰もが振りむく美人というのとも違う。 そんな癖のある顔立ちでも無く、肌がきれいなのも相まって、良く見れば結構可愛いじゃん、といったカンジ。 メイクさんやってるウチの親なら磨けば光る素材、と評するだろう。 以上が、葉山から聞いた情報と自分の乏しい記憶を統合しての、緋月三日のプロフィールだった。 「…って、何でそんなにアイツのこと気にするかな、みかみん」 「髪綺麗な女は気になんの」 「髪フェチ!?」 「それに、あの手紙のこともあるし」 「……」 今は昼食の時間。 隣の席の葉山とゆるゆる喋りながら弁当(自作)を食べていた。 「…忘れろよ、あんなんただのイタズラだって」 本気で不愉快そうな顔をしてそう言う葉山。 「でもさー」 俺はそう言って胸の内ポケットから今朝の手紙@緋月(仮)を取りだす。 「こんなキレーな字書く女子、イタズラでも会ってみたくね?」 「…ゴメン、お前のツボは分からん」 葉山が言う。 「ってか、最後まで、字キレーなんだよね」 文面を見ながら、俺は言った。 糸目をちょっとだけ見開き、改めて読み流す。 便箋の上から下まで文字で埋め尽くした上に、いずれの文字も丁寧なのだ。 これは、単に字が綺麗だからというのではない。 一文字一文字にしっかり気を使っているからだろう。 並の労力ではないし、時間もかなりかかっただろう。 それを考えると、この手紙は芸術的でさえある。 …まあ、一カ所だけ書き損じがあるが。 それを差し引いても、ただのイタズラにしては手がこみすぎている。 頑張りすぎているのだ。 ただのイタズラや嫌がらせならもっと手を抜いている。 手を抜いて良いところだ。 「字キレーで、頑張りやさん、か」 そう呟き、何の気なしに教室の後ろの方に目を向ける。 緋月の席は教室の奥の方、窓側の後ろの方にある。 ふと、緋月と目があった気がして思わず互いにそらしてしまう。 そうこうしているウチに弁当は食べ終わり、昼休み開始のチャイムが鳴る。 「ご飯の後ってやっぱ眠くなるよなー」 ふわ、とあくびをしながら俺は言った。 「まぁなー。…ってまさか」 葉山がシブい顔になる。 「昼寝ー。いつもみたく大桜の下で」 「行くのかよ!」 ガタンと立ち上がる葉山。 441 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 28 18 ID E//dvSBC 「落ちつきなよー。あの手紙はイタズラなんだろ?」 「そりゃそーだけどよ…」 食い下がる葉山。 「もし本気だったとしても、ぶっちゃけ送り主はいないと思うしなー。だから、手紙とは関係ナシ」 んじゃなーと言って、俺はいつものように向かう。 その下で愛を誓い合った男女は必ず結ばれ、その愛は永遠となるという伝説の大桜へ。 尤も、そんなのに関心の無い俺にとっては絶好の昼寝スペース以外の何物でも無いのだが。 「みかみん、お前マジ緋月のヤバさ知らなさすぎ。って言うか、何で気付かないんだよ」 葉山が後ろで何か呟いているようだが、よく聞こえない。 「アイツ、去年の間お前をずっとつけまわしてたストーカーなんだぜ…?」 442 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 28 49 ID E//dvSBC 私立夜照学園(ヨルテルガクエン)名物大桜。 元々は随分昔に偉い人が寄贈だか何だかしたものだそうで、学園設立当時くらいからあるらしい。 そんな由緒正しい代物だけに、学生の噂話の常連でもある。 ある時は学園七不思議のネタにされ、ある時は様々なジンクスの元となった。 現在伝わっていないモノもあるんじゃないかな? そんな噂の中でもっとも有名なのは、「大桜の木の下で告白し、愛を誓った男女の愛は永遠の物となる」というもの。 一体いつのゲームの設定かと思わなくもないが、ともあれ夜照学園の生徒にとってこの大桜の木の下で告白するのは鉄板となっている。 で、いつの時代も恋する乙女の注目を集めるそんな大桜は、校庭とかの辺りとは少し離れた位置にある。 だから、それこそ愛の告白をしたい人間くらいしか、ココに訪れることはない。 だから、静かに昼寝をするには絶好の場所だったりする。(罰あたり) そして、今日もいつものように木の下に訪れる。 「やっぱり、来てくれたんですね…」 その声は、後ろから聞こえた。 聞き覚えのある声だと思った時には、俺の首筋に電流が走っていた。 443 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 29 41 ID E//dvSBC 「コレをこうして…、ここをこうやって…」 次に気がついた時、俺は大桜の下で仰向けになっていた。 ウン、いつも通り。 違うのは、聞き覚えのある声=緋月のささやくような声が聞こえること、頭の下に柔らかいものがあたっていること(膝枕?)、手足が動かないこと、ぶっちゃけ手足が縛られていること。 …明らかに、いつも通りでない所の方が多い。 間違い探しが楽と言うレベルではない。 「最後に、ハンカチで口をふさいで…」 そー、っと真っ白なハンカチが見覚えのある顔と一緒に近付いてくる。 「いやいや顔が近いから」 びくぅ、とハンカチと顔を離す緋月。 「ってか、緋月?緋月三日?」 「はい!」 「取りあえず、確認したいことがあるんだけど、聞いて良い?」 俺の言葉にブンブンと首を縦に振る緋月。 いー感じに緊張しているっぽい。 視界的には緋月が上なのだが、無駄に身長の高い俺と話すのは怖いのかもしれない。 「質問その1。口をふさいでどうするよ」 取りあえず、分かる所からツッコミを入れよう。俺は葉山じゃないんだし。 「…イニシアチブを取る、ためです」 相変わらずささやくような声で言う緋月。 それにしても良い声だな。よく声優になれって言われません? 「イニシアチブ?」 いや何の。 「意中の異性を手に入れるためには、肉体的、心理的に優位に立つことが必要不可欠。その為に、まずは相手の動きを封じることが大切、とこのマニュアルに書いてあります」 見れば、緋月の手にはいかにもお手製な小冊子が握られている。 444 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 30 15 ID E//dvSBC 「何のマニュアルだよ、それ…」 俺はうめいた。 何か、表紙が黒いし、明らかに諸悪の根源っぽい臭いがする。 まぁ、そこは今あまり重要でも無く。 「ま、いいや。質問その2。もしかして、今朝の手紙は君が書いたの?」 「はい!頑張りました!」 全力で答える緋月。 頑張ってたよな、確かに。頑張りどころを間違えている気がしたが。 「マジメな話、やっぱ本気で俺にここに来てほしかったって訳?イタズラとかじゃなく?」 俺の言葉に、緋月の瞳からハイライト(生気)が消える。 「…御神くん、まさかあのクラスメートAの言葉を真に受けて無いですよね…?私の愛の限りをこめた手紙をイタズラだなんて本気で思っているはず無いですよね…?」 「うん、自然な動作で首に手をかけるのは止めようなー」 何かすごいことしようとしてるので、ツッコミをいれておこう。 桜の下で本当に死体になりたくは無い。 しかし、緋月はその白く細い指で俺の首を包みこんだ。 包みこんだだけだが。 「…痛くないんですか?」 「別にー?」 首のあたりに多少圧迫感があるかないか、というところだ。 俺のリアクションに、一生懸命首をしめようと試みている(らしい)緋月。 ただ、彼女は「首の締め方」的な物をどうにも心得ていないらしく、一向に痛くならない。 何しろ首の横から力入れてんだもんなー。 真上から体重をかけられたらさすがにちょっとは痛いだろうけど、単純に筋力(しかも非力)で何とかしようとしてるから、全く効果が無い。 うんうん言いながら頑張る緋月の姿は結構ほほえましいものがある。 …目的は俺の首を絞めることだが。 「話を戻すけどー」 何やら頑張ってる緋月の顔をアップで見ながら俺は言った。 「俺がココに来る時間って、今で良かったわけ?」 「時間?」 僕の言葉に動きを止め、きょとん、とした顔をする緋月。 内気そうに見えて、中々表情豊かだ。 癒されるものがあるねー、こんな状況でなかったら。 「大桜の下に来てほしい、とは書いてあったけど、『いつ』来てほしいとは書いてなかったじゃん?だから、どうしたものかなって思ってたわけ」 445 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 30 55 ID E//dvSBC 『昼休み』に来てください、なのか、『放課後』来てください、なのか、明日かもしれないし、一週間後かもしれない、そう取れる内容だったと言える。 俺の言葉に緋月は目を白黒させる。 「う…そ…」 おお、パニくっとるパニくっとる。 「うそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそうそう」 字面だけ見れば死ぬほどヤンデレらしいが、実際は涙目で困惑してるだけである。 あんまり表情が変わるような印象の無い娘なので、涙目はかなり新鮮―――というよりぶっちゃけ可愛い。 「ほんとだぞー」 ひょい、と例の手紙を手渡す俺。 それを受け取り、上から下まで読み返す緋月。 「そんな…。がんばったのに…頑張って、勇気を出して書いたのに…」 事実に愕然とし、顔を手で覆いさめざめと涙を流す緋月。 「泣くな泣くな。お前が頑張ったのはこの手紙を読んだ俺も良く知ってる。」 ぽんぽん、と柔らかく緋月の背中をたたく俺。 「…分かって、くださるんですか?」 「ああ、もちろん。それに、結局俺はお前がいる時間にココに来たんだから、結果オーライじゃないの」 昼寝のためだった、とは言えんがな。 「…私の頑張りは、無駄じゃ無かったんですね…?」 「さぁそれはどうだろうなんてことは無かったぜ。バッチリ報われてるぜ」 俺の言葉の途中で緋月がまた泣き顔になったので慌ててフォロー。 決してまた首に手をかけられたからではない。 「んじゃ、そろそろ質問その3。お前の望みを言え」 「どんな望みも叶えてくれる!?」 泣き腫らした目のまま打てば響くようなリアクションを返す緋月。 内気に見えて、中々リアクションの才能があるっぽい。 「や、そこまでは言ってないし。 まぁ、何の代償も要求しないけど」 ネタが分かる人っぽいのでそこはフォロー。 俺の言葉に居住まいを正し、深呼吸をする緋月。 「あなたに、私への愛を誓っていただきたいのです」 泣き腫らした眼で俺の眼をまっすぐ見つめ、そう宣言する彼女は、思いのほか魅力的だった。 不覚にも見惚れてしまうほどに。 しかし… 「うん、何か色々すっ飛ばしてるよな」 446 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 31 44 ID E//dvSBC 俺の言葉は、半分は照れ隠しだが、残りは明らかな本音である。 …つーか、俺らの人間関係始まってもいない気がする。 そこで愛を誓えってのは第一話に最終回やれってくらい無茶ぶりだろ。 とはいえ、また涙目になる(&首に手をかける)緋月がいたたまれないので一応フォローしよう。 「そもそも、何で俺なのかって理由を聞きたい。ウチの学園には俺よかイケメンの奴とかたくさんいるし」 これがギャルゲーなら主人公だから、で納得するんだけど、別にそんな設定は無いからなー。 いや、桜の下でいきなり縛られるゲームがあったら嫌すぎるけど。 「…御神くん以外の男子なんてゴミみたいな人です。むしろ、御神くん以外の人がゴミのようです」 「それ、某ラ○ュタネタだよな。分かりづらいだけで。そうでなかったら、そんな酷い表現使っちゃいけませんと親御さんの代わりにお説教をしてるところだぞ」 だとしても、某宮崎監督が泣きそうな使い方だ。 「みんながゴミなら俺はクズとか?」 伝説の大桜の下で昼寝しようって言う、空気の読めない罰あたりだもんな。 「違います!御神くんは優しい人です!!私がそれを一番よく知っています!!!」 今度は悪鬼のごとき表情で怒りだす緋月。 俺の為に怒ってくれんのは嬉しいが、その顔芸は止めような。 他人に見せられん顔になってるもの。 「…覚えていますか?去年の今日、まだこの学校に不慣れで迷子になっていた私を、御神くんが教室まで案内してくれたことを」 「いや、全然」 「お、ぼ、え、て、い、ま、す、か?」 一生懸命首絞めをしながら聞きなおす緋月。 本人的には精いっぱい威圧的に言っているのだろうが、涙目なので迫力に欠ける。 白い指がひんやりして心地良い…じゃなくて、乏しい記憶力をフル回転する。 以下回想 ―――どしたの、君?小動物見たく辺りを挙動不審に警戒して――― ―――…あ、あの…きょ、教室が分からなくて…――― ―――あーこの学園、無駄広いからなー。中等部からいる俺でも把握しきれないし。君、何年何組?――― ――――…い、一年十三組です…高等部の…――― ―――何だ、隣のクラスじゃん。一緒に行く?――― ―――…い、良いんですか…?――― 回想終了 「ああ、あのおかっぱ!」 「そ、そうです!おかっぱでした!」 全力でうなずく緋月。 447 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 32 09 ID E//dvSBC 首を動かす度に長い髪が乱れて、何かエロい。(変態) あったあったそんなこと。 あの後、後ろにその女の子を伴って教室に戻ったんだっけか。 ただ、その女の子は黒髪おかっぱの髪型だったので、今の緋月(ストレートロング)と結びつけるには少し時間がかかった。 ホント、女の子って髪型変わるだけで印象変わるや。 「一年で随分髪伸びたよなー」 「…あの日から、気がついたらあなたの姿を目で追うようになっていました。」 「無視かい」 恍惚とした表情で語りだす緋月。 「…気がついたら、あなたの姿を見つめるのが日課になっていました」 「そりゃ初耳」 「…気がついたら、四六時中あなたの姿を追うようになっていました」 「…四六時中?」 「…気がついたら、あなたのいる所にはどこでもついていくようになっていました」 「気がつけよ!」 いや、緋月もそうだが俺も気がつけ。 何でこんなキレーな髪の女子が近くに居るのに気がつかんのだ。(論点が違う気もするが) 「…そうしているうちに、いろんなことを知りました。あなたについて」 「ほうほう」 「…他人に無関心に見えて誰に対しても優しい所とか。時々見せる笑顔が素敵な所とか。意外と家庭的だったりとか。早起きさんなところとか。自慰行為は一日何回やっているかとか」 「最後に下ネタ!?って言うか男の前で自慰行為とか言うなよ!嫁入り前のコが!」 って言うかプライバシーの侵害にもほどがある。 「…大丈夫です、これからは私が満足させます」 「あんの!?ソッチの経験!?」 「………が、頑張ります」 「あー、無いのね。別に無くて良いけど」 内心、なんかホッとしてる自分がいる。 「ってか、それも段階飛ばしすぎだろ。手つなぎイベントとか、初キスとか、その前に色々あるっしょ。ラブコメ的に」 「…どんな要求にも応えます。御神くんが私の要求に応じてくれるように」 「…びみょーな表現使うなぁ」 苦笑を浮かべる俺。 何か、本気でどんな要求にもこたえそうだわ。 死ねと言われたら死にかねない。 …逆に、俺も死ねと言われたら死ななきゃならないらしいけど。 「まぁ、何となく事情はわかった」 コイツの人となりもね。 ぶっちゃけ、かなりとんでもないことをしてる娘ではあるが、それ以上に頑張り屋なのだろう。 頑張りどころをかなり間違えている感もあるが―――まぁ、そこはおいおい治していく感じで。 ゆるゆる生きてる俺にとって、何かのために頑張れる人間ってのは、かなり眩しく見えるモノで。 それが自分の為だってのは中々に感動的な物がある。 ま、髪もキレーだしね。 ロングなのもポイント高い。 …おや、付き合わない理由が無いな。 その上であえて言おう。 「だが断る」 448 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 33 30 ID E//dvSBC ばしゃん! そう答えた瞬間、緋月の手にはたくさんの凶器が握られていた。 ハサミ、カッターナイフ、十得ナイフ、ダガーナイフ、伸縮式警棒、ワイヤー、アイスピック、妙なスプレー、スプーン、包丁、お玉(注:調理用具はもっと丁寧に扱いなさい)その他諸々 …あ、スタンガンもある。アレで俺を気絶させたのな。 「愛を誓ってくれなければ、私を殺してあなたも死にます」 「逆逆」 いや、あんまり変わんないけどね。 「つまりね、別に愛を誓おうが恋を誓おうが良いんだけど、こっちにも条件があるってコト、みたいな?」 凶器の山に臆することなく、俺は言った。 使い手が無害なことが分かってるからね。いや、だから逆に危ない気もするけど。 「…え?」 俺の発言に、緋月の手から凶器の数々ががしゃがしゃと落ちる。 「愛を誓うならまず君から誓え」 「命令形!?」 緋月は驚くが、一応手足を縛られているこの状況である。 いい加減俺が優位に立ってもバチは当たんないと思う。 「…うう、最初から羞恥プレイを命じられるとは思いませんでした…」 「何が羞恥プレイだ。見た目的には俺の方が恥ずかしいわ」 縛られてるしね。 「あうう…」 顔を真っ赤にしながらうつむく緋月。 「…愛しています」 「聞こえなーい」 「愛してます!頭のてっぺんから足の先まで魂の奥底まで愛しています!他の女には渡しません!他の女になびいたらショックで死にます!あなたを殺してから!だから私だけの御神くんになってください!」 「良いよー」 俺はさくっと返した。 「「軽!」」 ツッコミは緋月からだけでなく、意外なところからもやってきた。 449 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 34 21 ID E//dvSBC 葉山だ。 何か木陰からでてきた。 「おお、はやまんじゃん。どしたの?」 「心配になって来てみたら。お前ナニイテンダ!」 葉山の言葉が興奮で喝舌がすさまじいことになってる。 「お前この女にずーっとつけ回されてたんだぜ!ストーカーだぜ!何っでそんなのと付き合うんだよ!考え直せ考え直せ考え直せ。付き合ってロクなことになるわけがない」 必死で俺の説得にかかる葉山。 そうは言うが、コイツずっと見てたのか、今のやり取り。それこそストーカーみたく。 「いやまぁ、頑張る所を間違えてるよなとは思うけど、見られてただけで実害があったわけじゃないし」 むしろ、近くに置いといた方が面倒が無い気もする。 「見られすぎだろ!」 「見るのだって楽じゃないっしょ」 「のっけから恋人とか超展開すぎだろ!」 「とりあえず、世間のお見合い結婚カップルに謝ろーな」 「怒られてる!?」 「それに、ぶっちゃけ遠くから見られるよか近くに置いておいた方が面倒が無…もとい面白いし」 「「それ言い直す必要無いよな(ですよね)!?」」 葉山と緋月の声を背景に、俺は立ち上がる。 そろそろ予鈴だ。 「んじゃ、そろそろ戻るか」 言って、緋月に手を伸ばす。 「はい!・・・って」 しっかり手を取り、フリーズする緋月。 「私、御神くんの手足を縛ってましたよね!?」 「…そんな設定あったっけ?」 「ありました!」 「…うん、ゴメン。結構ゆるゆるだったってか、すごいあっさりほどけてたわ」 「いつから!?」 「結構最初から」 「そんな!?」 がびーん、とか言いそうなくらいショックを受ける緋月。 「まー、努力は報われたんだからそんなショックを受けなさんな、マイラヴァー」 「は、はい!」 歩き出す俺にとことことついてくる緋月。 カルガモの子供みたいで中々可愛らしい。 そして、三人でダベりつつ教室に戻る。 「ホントに良いのか、みかみん。クーリングオフとか効かないぞ、コレ」 「良いんじゃない?何かイロイロツボったし」 「…良いのか、それで」 「…葉山くん、どうしてそんなこと言うんですか?…もしかして、あなたも御神くんを…」 「「無い無い」」 「…息がぴったりです」 「付き合い長いからねーって愛情的な意味じゃないからなー。あ、そうだ緋月。お昼とかいつもどうしてる?」 「…こ、購買でパン買ってます」 「それじゃ足りないっしょ。育ち盛りなんだし。明日から俺弁当作ってくるわ、恋人っぽく」 「い、良いんですか!」 「何か逆だぞそれ!本当に甲斐甲斐しい男だな、みかみん!」 「うるさいよ」 と、まあ、こうして俺の楽しくも不穏当な青春は過ぎてゆく。 450 :ヤンデレの娘さん 告白の巻:2010/09/03(金) 03 35 03 ID E//dvSBC おまけ 「そう言えばひづきん、その凶器やら黒い表紙のマニュアルやら、どっから調達してきたん?」 「…あ、コレは母が珍しく用意してくれたんです(いきなりあだ名付けてくれた…)」 「親御さんが?」 「…何でも、母はこういった物を使って父を手に入れたのだそうです」 「…」 「…この『恋人絶対拉致入門』以外にも、『泥棒猫の■し方』とか『素敵な監禁生活AtoZ』とかも用意して下さったんですよ。御神くんも読みますか?」 「…いや、いいわ」 お母さん、俺の彼女の母親はヤンデレのようです。 つまり、俺の彼女はヤンデレの娘さん。
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885 :ヤンデレ妻と初詣 [sage] :2008/06/12(木) 12 08 11 ID qqyAx98Q 埋め代わりにヤン妻小ネタを投下だよ エロ?無いよ 1月某日 晴れ 「あなた、そろそろでかけないと…せっかくの初詣なのに、人混みでおまいりできなくなっちゃいますよ」 もたもたと出かける準備をしていると、むくれた様子の妻に抱きつかれた。 あまり初詣に気が乗らない俺とは違い、妻はいつの間にか着物まで着て準備万端なようだ。 そういえば、妻の着物姿を見るのは結婚式の白無垢以来か。 今しがたのんびりするなと怒られたばかりだというのに、普段とは違う雰囲気の妻に思わず見とれてしまう。 …それにしても珍しい色の晴れ着だ。緋色…血色? 俺が不思議そうに晴れ着を見ているのに気付いたのか、 「これ、おかあさまからおくられてきたんです。いい染料がてにはいったからって」とはにかみながら答えてくれた。 よりによって俺の実家から…着物のことは詳しくないからよくわからないが、 染料というのは一般家庭でも簡単に入手可能なのだろうか。 「そうですね…素材ならそこらじゅうにいるんですけれど、やっぱり連続で狩るとさわぎになってしまいますから… けつえk…染料を一滴のこさずしぼりとるのもたいへんですし。 おかあさま、必要なだけあつめるのに何ヵ月もかかったらしいですよ」 松茸並に貴重な染料だ。 「あ、でも後始末はすっごくたのしかったっておっしゃってました!」 わたしもおてつだいしたかったです、と何故か目をきらきらさせている妻に、 それならそのうち休みをとって一緒に里帰りしようかと提案する。 「えっ!ほんとうですか?」 この上なく嬉しそうな笑顔。言ってみて良かった。 そうこうしているうちに妻に手早くコートを着せられ、ぐいぐいと外に連れ出される。寒い… 神社に到着するまでの間、妻はずっと「トランクをひっぱりださなくちゃ」だの、 「お着物のつくりかた、おしえてくださるかしら」だのとはしゃいでいた。 早速里帰りする気満々になっている妻には悪いが、 正月明けでまとまった休みをくれるほどうちの部長は甘くない、と言い訳しておく。 「とれますよ、おやすみ」にこにこと微笑む妻。 「部長さんも……きっと、あなたにおやすみあげなきゃって、おもってますよ、うふふ」 もうすぐ仕事に追われる予定の俺を慰めてくれるのだろうか。 妻の優しさに感謝しながら、それなら神様には「休みが欲しい」と頼もうかなどと軽口を言い合う。 程なく神社に到着。 早めに来たせいか思ったよりも混んではいない。少し並べば境内まで辿り着けそうだった。 妻と参拝客の列に並びながら、今年の願いは何にしようかと思案する。 「休みが欲しい」も叶えてほしくはあるが、やはり新年最初の願い事なのだから もっと優先度の高いものにすべきだろう。 あれこれと考えていると、突然「あなたあぁ」と助けを求める妻の声に我に還った。 何事かと妻の方を見ると、妻は何故か帰りの参拝客の列に巻き込まれそうになっていた。 慌てて妻を引っ張り出す。どうやら俺と同じように考え事をしているうちに列に紛れ込んでしまったらしい。 ……正月早々うっかりしているものだが、おかげで今年の願い事を決めることが出来た。 『妻とずっと一緒にいられますように』…恋愛ドラマのようで照れ臭いが、これが一番の願いなのだからしょうがない。 たぶん、妻も同じことを願ってくれるだろう……もうはぐれないようにと差し出した手を、 恥じらいながらもしっかりと握り返してくれる妻を見る限り、 それは自惚れではないと期待しても良いのかもしれない。 おわり
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ヤンデレ 勢力の一つ ヤンデレストーリー ヤンデレ特徴 有毒・畏怖・側面攻撃を得意にしているようだ クリーチャー・タイプは 人間・ホラーなど MTGにおいて「ホラー」というと怪物・妖獣のことだが、この場合のホラーとは「ホラー映画」などで使われる「恐怖」の意味に近い。 色は黒か黒緑 ヤンデレで検索 取得中です。
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60 :ヤンデレは誰だ/毒蛇 ◆i8W/K/qE6s [sage] :2007/09/18(火) 03 33 31 ID vd74AtWu その日、事件が起きた。 俺のちっぽけな人生の中で、未だかつて経験したことのない大事件だった。 その日の朝。俺はいつものように朝寝坊をして由香里に叩き起こされ、夢うつつのまま学校へと向かった。 そしていつものように教室へ向かい、いつものように席に座り、いつものように授業を受けた。 しかしその日の昼休みだけは、いつものようではなかった。 さて、今日の昼も健やかに惰眠を貪ろう。 そう思って机に突っ伏そうと思った矢先、俺を呼ぶ声がした。 声の方を振り向くと、教室の入り口に見かけぬ女子生徒がいる。 「笹田先輩! ちょっといいですかー?」 元気よく俺を呼ぶ女子生徒。「先輩」ということは、この子は一年生か。 俺は戸惑いながら彼女の方へ歩くと、気弱な返事をした。 「えっと…。何かな?」 「先輩、ちょっとお時間いいですか?」 元気いっぱいに尋ねる一年生。その爛々とした目に押され、用を尋ねることも忘れて生返事をしてしまう。 「あ、うん。いいけど…」 「じゃあ、一緒に来て下さい」 その子はそれだけ言うと、俺の手を引っ張って歩き出した。 「え、ちょっと…。どこ行くの?」 「いいから、ついて来てください」 有無を言わさぬ押しの強さに、何もいえない俺。 下級生を相手に我ながら情けないものだと思いながら、そのまま引かれていった。 連れて行かれた場所は、体育館の裏だった。 「あの、こんなところに来てどうするの?」 何とも古典的且つベタなスポットへと来てしまい、俺は彼女に尋ねた。 すると彼女はくるっと俺の方へ振り返り、にこっと笑った。 「じゃあ、わたしはこれで」 そう言うと、なんと彼女はすたすたと立ち去ってしまったではないか。 「え、いやちょっと待って…」 俺の声は届かない。彼女は見る見るうちに遠くへ行ってしまう。 「…何なんだ、これ。嫌がらせ?」 この状況にどう対処してよいか分からず、呆然と立ち尽くす。 しかし、そうしているうちにあることに気づいた。 「……!!」 足音だ。そう遠くないところから、足音が聞こえたのだ。 足音はどんどんこちらに近づいてくる。 俺は心臓が高鳴るのを感じた。 何なんだ、一体。まさか校内で美人局…? いや、そんなはずはない。ていうか第一俺は何もしてないし…。 軽くパニックに陥った頭でそんなことを考えながら、俺は近づいてくる足音を待った。 しかし、そこに現われたのは、俺の予想外の生物だった。 「せ、先輩…」 ひょこっと俺の目の前に現われたのは、小柄な少女だった。 彼女はなぜか頬を赤く染め、俯きながら近づいてきた。 「え、えっと…。君も一年生?」 「は、はい…。一年の中島といいます」 「さっきの子は、君の友達?」 「はい。あの、わたしが頼んで、先輩を連れてきてもらったんです」 中島という女子生徒は、落ち着かない様子でそう言った。 61 :ヤンデレは誰だ/毒蛇 ◆i8W/K/qE6s [sage] :2007/09/18(火) 03 34 39 ID vd74AtWu 「そう。それで…何かな?」 そう尋ねると、彼女はまた俯いて黙り込んでしまった。 「………」 …さて、どうしたものか。俺まで気まずくなってしまう。 しかしいつまでもこうしていても、らちがあかない。 第一、俺の貴重な睡眠時間を削ってここに来ているのだ。これでどうでもいいような用事なら困る。 俺は先を急かそうとして口を開きかけた。 「あのさ…」 「先輩、好きですっ!!」 俺が話そうとしたその瞬間、そんな言葉のピストルが俺の脳天を貫いた。 多分、時が止まった。 あまり覚えていないが、数秒の間、俺は呆然と立ち尽くしていたと思う。 やっとの思いで我に返ると、俺は慌てて喋りだした。 「え、あの、いや…。え? その、あーっと…。マジで?」 なんだかよく分からない出来事に混乱した俺は、なんだかよく分からない言葉を発した。 「本当です!! わ、わたしと付き合ってくださいっ!!」 彼女は先ほどまでとはうって違い、俺の目を真っ直ぐと見据えた。 そんな気迫に、思わずたじろいでしまう。 ただでさえ生まれて初めての体験に、脳が追いついていない。ここは一旦落ち着いて考えるべきだ。 そう自分に言い聞かせ、俺は小さく深呼吸を繰り返した。 数分が経っただろうか。 俺は冷静さを取り戻すと、じっくりと考えていた。 この場の空気に流されないように、一番良い答えを見つけれるように、いつになく真剣に考える。 そしてゆっくりと口を開いた。 「あのさ…、俺なんかのどこがいいの?」 「えっと。気の弱そうなところとか、ちょっと頼りないところとか…」 中島さんは照れたような表情で言った。 なんかあまり褒められた気はしないが、それでも彼女の気持ちは本当らしい。 俺はもう一度考えると、一つ息をついた。 「…ごめんね」 その言葉を聞くと、彼女の顔に絶望の色が広がった。 みるみるうちに瞳に涙が溜まっていく。 「…なんでですか?」 彼女は震えた声で尋ねる。 「俺は君のことよく知らないし、…やっぱり急には無理だよ」 適当なことを言って誤魔化しても仕方がない。俺は正直な気持ちを口にした。 それからまた数分が経って、彼女はか細い声で「分かりました」と言って、泣きながら走っていった。 「はぁ…」 緊張が切れて、大きなため息をつく。 初めてのことに何がなんだか分からなかったが、ひょっとして勿体無いことをしてしまったのかなと、未だ冷めない頭で思った。 教室に戻ろうと歩き始めた頃、昼休みの終わりを告げるチャイムが響いた。 62 :ヤンデレは誰だ/毒蛇 ◆i8W/K/qE6s [sage] :2007/09/18(火) 03 35 11 ID vd74AtWu その日の先輩は、なぜか機嫌が悪かった。 放課後、珍しく部活に顔を出すことにした俺は美術室へと向かった。 また何か絡んでくるかと思いきや、俺を見た先輩は「あら、来たの」とそっけない態度をとる。 無愛想なのはさほど珍しくないのだが、いつもはもっと辛らつな感じで攻撃してくるはずなのだが…。気のせいだろうか。 まあ、それはさておき部活に集中だ。どうやら今日は人物画のデッサンをするらしい。 しばらくして顧問の若槻先生が来て指示があると、部屋の中心に置かれた台の上にモデルを立たせ、他の部員でそれを囲んだ。 俺はたまたま先輩の隣だった。いつもと違う様子が気にならないこともないが、とりあえず集中してデッサンを始めることにした。 静かな部屋の中、カリカリと鉛筆の擦れる音が響く。 少し疲れた俺は、手を止めて一息入れることにした。すると、隣にいる芳野先輩が俺を見ていることに気づいた。 「…あんた、一年生の子に告白されたんだって?」 「え…。な、なんで知ってるんですか?」 「みんな知ってるわよ。結構うわさになってたから」 カリカリと鉛筆を動かしながら、先輩は言った。 沈黙が流れるが、何秒かすると先輩はまた鉛筆を止めてこちらを向いた。 「で、どんな子だったの?」 「どんな、ですか?」 そう言って少し考え込む。 「うーん。割りと背の低い子だったかな。っていっても先輩とそんなに変わらないですけど。…まあ、なんていうか結構可愛かったと思います」 「そう」 先輩は自分で聞いておきながら、興味なさげにそう言った。 そしてまた鉛筆を動かし始める。…と思ったら、また止めて口を開いた。 「なんで、断ったの?」 核心を突く質問に一瞬驚くが、俺は素直に答えた。 「まあ、知らない子にいきなり付き合ってって言われても…。やっぱりそういうのは好きな相手じゃないと」 「…そう」 先輩はそう言うとまた鉛筆を動かし始めた。 今度は本当にデッサンに戻ったようで、時間が終わるまで何も話さなかった。 どのくらい経っただろうか。 かなり疲れが出始めた頃、若槻先生が手首の時計を見て「そろそろ休憩にしよう」と指示した。 みんな集中していたのだろう。かなり疲れた様子で、それぞれ休息を取りだした。 俺はふと先輩を見る。 先輩は心ここにあらずといった感じで、ただぼうっと自分の描いた絵を眺めていた。 さっきは色々と聞いてきたが、もしかして俺のことと何か関係があるのだろうか。 「……そんなわけないか」 ふと窓を見ると、外は暗くなり始めていた。 63 :ヤンデレは誰だ/毒蛇 ◆i8W/K/qE6s [sage] :2007/09/18(火) 03 35 45 ID vd74AtWu 部活を終えた俺は、少し重い足取りで玄関へ歩いていた。 やはりたまにしか顔を出さない幽霊部員には、あの長時間の集中は厳しい。 今日は早く帰って、風呂でも入ってさっさと休もう。そう思いながら歩いていると、靴箱のあたりで見知った後姿を見つけた。 やや小柄で、細身の体の腰あたりまである自慢の黒髪が、さらさらと揺れている。 「委員長。今から帰り?」 俺が後ろから声をかけると、その背中はびくっと驚いた。 「さ、笹田くん。びっくりした…」 振り返った委員長は、胸に手を当ててそう言った。 「あ、ごめん」 そんなに驚くとは思わなかった俺は、反射的に謝る。 「あ、ううん。いいの。笹田くんも今から帰り? よかったら途中まで一緒に帰りましょう」 そう言って微笑む委員長に、ノーとは言えない。 俺たちは玄関を抜けて、薄暗くなった道を一緒に帰ることにした。 しばらく一緒に歩いていると、委員長もどこか様子がおかしいことに気づいた。 なにか落ち着かない様子で髪を触ったり、メガネをかけ直したり、とぎこちない。 「委員長。どうかしたの?」 そう尋ねるが、委員長は答えずに下を向いて何かを考え始めた。 しばらくすると、委員長は意を決したように重い口を開いた。 「あ、あのっ。笹田くん、一年生の子に、その…」 「…ああ、委員長も知ってたんだね」 「えっと、その…。振っちゃったの?」 委員長は腫れ物に触るように、恐る恐る尋ねた。 「ん、まあそうなるかな」 隠してもしょうがないので、俺はありのままを話した。 「やっぱり、全然知らない子とそういうのはダメかなって思って」 そう言うと、委員長は「そうなんだ」と小さく呟いた。 それにしても、こういう話に興味があるなんて委員長もやっぱり年頃の女の子なんだな、と俺は妙な感心をしていた。 いつも控えめで地味なところもあるけど、この子も誰か男を好きになったりするのだろうか。 「そういえばさ、『俺のどこがいいの』って聞いたら『気弱そうなところ』とか言うんだよ、その子」 どことなく静かな空気になってしまったので、俺は冗談交じりな口調でそう話した。 しかし、委員長の反応は俺の期待したものではなかった。 「分かるな、それ」 「え? ここ笑うとこなんだけど…」 「でも、なんとなく分かるの」 委員長は静かに笑いながらそう続ける。 「笹田くんって、何となくそんな感じ。母性本能をくすぐるっていうか…。ね」 優しく微笑んだ彼女を見て、俺は一瞬ドキっとした。 「どうしたの?」 「い、いや。なんでもない」 委員長もこんな顔をするのか…。 なんだか今日は、女性には色んな顔があるということを勉強したような気がした。 64 :ヤンデレは誰だ/毒蛇 ◆i8W/K/qE6s [sage] :2007/09/18(火) 03 37 34 ID vd74AtWu 「ねえ、誠。由香里の帰りが遅いんだけど、知らない?」 家へ帰りテレビを見ながら食事をとっていると、キッチンから母の声がした。 「いや、知らないけど」 もぐもぐと飯を口に押し込みながら答える。 「あいつだってもうそんな子供じゃないんだし、ちょっと帰りが遅いくらい心配ないよ」 「そうだといいんだけどねぇ」 洗い物をしている母が背中を向けたまま答えた。 すると、リビングのドア越しに玄関の扉がガチャリと開く音が聞こえた。 「ただいまー」 「ほらね」 由香里が慌しく部屋の中へ入ってくる。…なにやら小さな体にたくさんの荷物を抱えて。 「遅かったじゃない、由香里」 心配していた母がそう言うと、由香里はふて腐れたように答える。 「だって買い物してたら荷物多くて大変だったんだもん」 そう言いながら荷物をどかっと下ろしていく。おそらく洋服や本、化粧品などの入った紙袋やバッグが幾つも転がった。 「この間お兄ちゃんに荷物持ち頼もうと思ったけど、ダメだったからさ。今日は一人で頑張ったよ」 「ん? それなら今日誘えばよかったのに」 おかずのハンバーグを頬張りながらそう言った俺を、由香里はなぜか冷ややかな目で見た。 「お兄ちゃんは今日は幸せの絶頂だろうから、そっとしてあげようと思ったの」 「幸せの絶頂…?」 一体なんの話だろう。そう思って記憶を辿ると、昼休みのことが思い当たった。 「…あぁ、お前も知ってたのか」 「当たり前じゃない。隣のクラスの子だもん」 そう話す由香里は、どこか機嫌が悪そうだ。 「本当に物好きよね。よりにもよって、なんでお兄ちゃんなのかしら」 「まあ、あれかな。俺の秘められたカリスマ性に引き寄せられたんじゃ…」 「バカじゃない?」 な、なんて可愛げのない…。 まったく、昔はあんなに可愛かったのに。思春期の娘は難しいものだ。 そんなことを考えながら、俺はテレビのリモコンを手に取り、チャンネルを変えた。 この時間なら確かどこかの局で音楽番組があっただろう。 別に俺は見たい訳ではないが由香里が見たがるだろうと思い、チャンネルを回した。 その時だった。 『……先ほど入ってきたニュースです。河崎市内の高校生、中島伊織さん(16歳)が下校中、自宅近くの道路で 何者かによって腹部をナイフのような物で刺され、倒れているのを付近の住民によって発見されました。 中島さんはすぐに市内の病院に運ばれ、現在意識不明の重体です。現場では現在警察が捜査を行っています。 それでは現地のリポーターに様子を伝えてもらいましょう……』 その日、俺のちっぽけな人生の中で、未だかつて経験したことのない大事件が起きた。 そして、本当の事件が起こった。 65 :ヤンデレは誰だ/毒蛇 ◆i8W/K/qE6s [sage] :2007/09/18(火) 03 38 13 ID vd74AtWu 「9/18 火曜日」 どうして。 どうしてみんな邪魔をするの。 わたしがあの人を愛しているのに。 わたしが一番、あの人を愛しているのに。 誰も近寄らせない。 わたしがあの人を守ってあげる。 あの人に近寄る女がいたら、わたしがあの人を守ってあげる。 そう。今日みたいに。 どうしてみんな、わたしたちの邪魔をするんだろう。 どうして。
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病んでるけどデレるみたいな女の子だと思う。 その人を好きすぎるあまり、傷つけてしまうような? 個人的に言えるのは、頭のキレないやつはヤンデレになれないという事だ。 あくまで、キレるやつのみヤンデレになれる。 そう言う点ではヤンデレって良いよね。
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808 :埋めネタ ヤンデレ茸にご注意 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 21 36 49 ID HOJieKTt 1.ヤンデレ茸カタログ ある日、鷹野百歌は非常に困っていた。 「今日のお夕飯、どうしよう……」 一大事である。 「お兄ちゃんにおしいいご飯を食べさせるのが私の存在意義なのに、これじゃあ、だめだよぉ……」 涙目になりながら、必死で打開策を考えた。 兄に、鷹野千歳に出すメニューが全く思いつかない。 この時期旬の食材などはひとしきり使い切ったし、もはや兄の舌を楽しませることができない。新鮮さがない。 もっとも、その考えは全くの思い込みであり、千歳は百歌の作った料理ならなんでも喜ぶのだが、百歌の認識は違った。 「お兄ちゃんに、つまんない女だって思われたら、百歌、死んじゃう……」 料理番組を見たり本を見たり、ネットでいろいろ探したりしても、ピンと来るものが無い。 新鮮というか、奇抜なメニューはあっても、兄の口に入るに足るようなレベルのレシピが見つからない。 今までは、百歌はその若い発想力でこのような苦境も乗り切ってきたのだが、今日ばかりは完全にお手上げだった。 「せめて、何かおもしろい食材でも……」 ガコン。 そのとき、郵便受けに何かが入る音がした。 「ん、夕刊かな?」 気分転換にもなるだろうと、郵便受けに向かう。しかし、中にあったのは新聞ではなく、チラシだった。 「なんだろう、これ……。きのこ……?」 いくつかの茸の写真が並んでいる。見たことの無い色と形。 「ヤンデレ……茸?」 チラシによると、ヤンデレ茸などという高級食材を近くのスーパーが入荷したらしい。 しかも、国産なのに値段は手ごろだという。 ピンときた。 「そうだ、これを買いに行って、今日のお夕飯にしよう!」 809 :埋めネタ ヤンデレ茸にご注意 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 21 37 24 ID HOJieKTt 2.ヤンデレ茸・媚薬型 「たくさん種類があったけど、全部買っちゃった♪」 買い物袋に、色とりどりの怪しい茸を入れて、百歌はるんるん気分で家のキッチンに立った。 「やっぱり、色々あるけど、これがおいしそうかな」 ひとつを拾い上げ、見つめる。ごつごつとして、卑猥な形状をしている。 くんくんと匂いをかぐ。独特の匂い。人間の体臭――いや、兄の体臭と似ている。 思わず目がうっとりとなり、百歌は顔を赤くしてぶんぶんと振った。 「だめだめ! いきなりしゃぶりつきそうになっちゃった!」 茸にフェラをしようとしていた自分に気付く。 「お兄ちゃんの匂いににてたからって、やりすぎだよぉ……」 しかし、その魅力的な形状と匂いに、心を惹かれてしまうのも事実。 「ちょこっと……ちょこっとだけなら、いいよね」 その誘惑に耐え切れず、端のほうにかじりつき、少しだけ飲み込んだ。 「ん……お兄ちゃんのせーえきの味だぁ……」 また、うっとりとして身体が熱くなる。 「あはっ、あはははは……! お兄ちゃんが身体の中に広がって……気持ちいい!!」 その場にしゃがみ込み、自分の腕で自分自身を抱きしめる。 「あははははははは!! 気持ちいいよぉ!!」 いつの間にか手が股間をまさぐっていた。もはや止める術は無かった。 「……」 賢者タイム。 「……ま、まあ、この茸はお兄ちゃんに後で食べさせるとして」 ――性欲が増強されて、百歌を襲ってくれるかもしれないし。 「とにかく、今のことは忘れよう。うん、そうしよう!」 自分の秘所に出し入れした茸など、自分自身で食べる気にはなれなかった。 810 :埋めネタ ヤンデレ茸にご注意 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 21 37 54 ID HOJieKTt 3.ヤンデレ茸・病み型 「とにかく、他のもお兄ちゃんに食べさせる前に『毒見』しないと……」 適当に袋から出す。 地味な色と地味な形状のものがあったので、それを手に取った。 「こういうのがむしろ安全なんだよね。マツタケみたいでおいしそうだし」 端をちょっと切って口に放り込む。 「うん、味はなかなか。香りもいいし。これならお兄ちゃんも喜んで……。っ!?」 がくがくと身体が震えだす。 ――まさか、毒……!? 身体の力が抜けて、百歌は崩れ落ちた。 しかし、すぐに立ち上がった。 「ふふ……ふふふ……」 明らかに尋常な様子ではない。 「お料理なんてまどろっこしいことをするのは、もうやめよう。うん、そうしよう……ふふっ」 ニヤニヤと笑いながら、包丁を持ち、ぶんぶんとい振り回す。 「お兄ちゃんがいつか私を愛してくれるなんて、幻想なんだよ。私は妹。所詮、妹なんだから……。ちょっとくらい強引じゃないとガンダムは口説けないって、私の心の師匠も言ってたもん」 冷蔵庫から生肉を取り出し、包丁を突き立てる。 「ふふふっ……やっぱり、お兄ちゃんに近づく雌猫を全員ぶっ殺して、そのあとお兄ちゃんを監禁して調教しちゃえば一番早いんだよ……」 ざくっ、ざくっ。小気味のいい音を立てて、生肉が穴だらけになる。 「そうだよ、お兄ちゃんは世界一かっこよくて優しいから、勘違いした雌どもが擦り寄ってきちゃうんだ……。お兄ちゃんがそんな輩に騙されちゃう前に、消さないと……」 くっくっと笑い、百歌は包丁を持ったまま身支度をする。 「早速、お兄ちゃんとの仲を取り持ってなんて私に頼んじゃったあのお馬鹿さんから殺しに行っちゃおうかな♪」 靴を履く。が、なんだか上手く履けない。目の焦点が合わない。靴が三つに見える。 「んっ……頭が……」 くらくらする。そのまま力が抜けて倒れた。しかし、またすぐ立ち上がった。 「あれ、私何を……。そうだ、夕飯作らないと、お兄ちゃんが帰ってきちゃう」 811 :埋めネタ ヤンデレ茸にご注意 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 21 38 25 ID HOJieKTt 4.ヤンデレ茸・自律型 「他にはどんなのがあるかなー」 がさがさと、なにかのゲーム感覚で買い物袋をあさる。 「これだっ!」 取り出したのは、これまた奇妙な茸だった。某ドコモのマスコットのように、人間的なデフォルメを加えられている。 人間っぽい手足がついていたり、目のような部分があったりする。 「なに、これ……」 『ふふふっ、やっと私に気付いてくれたのね』 「喋った!?」 『驚くことないじゃない。私、あなたとスーパーで目が合ってから、ずっと好きだったのよ。だから、あなたに食べられるためにあなたの手にしがみついたの』 「私に、食べられるため……?」 『くくくっ、やっと、茸としての本懐を遂げられるわ……。愛するあなたに食べられることで、あなたの血となり、肉となる……あはははは!! 最高の死に様だわ!!』 「……」 『さあ、早く私を食べて! その可憐な唇でむしゃぶりつき、その白い歯で噛み千切り、蹂躙しなさい! そうして私はあなたと永遠に同化する……そう、私達の愛が永遠になるのよ!』 「……気持ちわるーい」 百歌は、茸をぽいとゴミ箱に投げ捨てた。 『ちょっと、出しなさい! 私とあなたの愛は……!』 「気持ち悪いよぉ……まさか、喋る茸があるなんて」 『出せー! ちょ、マジで出してください! 生ゴミとして朽ち果てるのは嫌なのよ! 後生ですから!』 「しかたないなぁ、近所の猫の餌にするけど、それでもいいよね」 ゴミ箱から救出する。すると、茸は再び高飛車になった。 『ふふふ……やはり、口では生意気でも、心の奥底では私を愛しているのよね。分かっているわ。さあ、私を喰らいなさい……!』 「気持ちわるーい」 ぽいっ。 『きゃー!』 812 :埋めネタ ヤンデレ茸にご注意 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 21 38 55 ID HOJieKTt 5.ヤンデレ茸・幻覚型 「もう、ろくなのが無いよ……。最後のこれは、どうなんだろう」 端を少し切り取り、口の中で咀嚼する。 「うん。これは今までで一番おいしい。マツタケ以上かも……」 百歌は笑顔になり、料理を始めた。 「じゃあ、これと、最初のあの媚薬みたいなやつで今日は炊き込み御飯とお吸い物でもつくろうっと♪」 「お帰りお兄ちゃん。ご飯できてるよ」 「おお、じゃあ早速食うか。……今日のは美味いな」 「今日は変わった食材を使ったから(ふふっ、それは媚薬茸入りのお吸い物……さあ、私の身体を求めて、お兄ちゃん!)」 「ん、なんだか、俺……身体が熱くなって……」 「お兄ちゃん、大丈夫?(きたきたきたー!!)」 「百歌……お前、可愛いな」 「え、急にどうしたの、お兄ちゃん?(もしかして、これは非常に美味しい展開!?)」 「百歌、俺もう、我慢できない!」 がばっ。 「きゃ、お兄ちゃん、私達兄妹だよっ!(あくまでお兄ちゃんから襲ったという形にすれば、これ以降もお兄ちゃんに責任を取ってもらえる……♪)」 「悪い兄貴ですまん! でも、お前が可愛すぎて、もう我慢できない! 入れるぞ!」 「お、おにいちゃん、そんな、いきなり……いたいよぅ……」 「動くぞ、百歌!」 「ああ、お兄ちゃんに無理矢理犯されてる……♪」 「百歌……俺、もう、出る……!」 「だめ……だめだよぉ……(くく……くははははは!!! 計画どおり! 思い通り! ここまで上手くいくなんて!)」 「うおぉ!!!」 「お、お兄ちゃんに無理矢理中だしされてるよぉ……!!! ……責任、取ってよね」 「ああ、百歌とちゃんと結婚して、子供を産むよ。愛する百歌と一緒に生きていく」 「お兄ちゃん……! 私も愛してる!!」 「……って、ドリームか!!!」 はっと意識が戻ると、さっきから全然時間がたっていなかった。 「早くお料理作らないと……! でも、今の夢いいなぁ……げへへ」 思わず、変な笑い声が出てしまった。非常に下品である。いけない、よだれも出ている。 813 :埋めネタ ヤンデレ茸にご注意 ◆.DrVLAlxBI [sage] :2008/11/24(月) 21 39 28 ID HOJieKTt 6.平和が一番 「ただいまー」 「お帰りお兄ちゃん。ご飯できてるよー」 「そうか。ならすぐ食わないとな」 兄はそう言うと、荷物を降ろして手を洗い、すぐに食卓に座った。 「いただきまーす」 「いただいてくださーい♪」 炊き込み御飯に箸をつける千歳と、それを見つめる百歌。 「ん、どうした? 食わないのか?」 「うん。味見して、おなか一杯になっちゃった」 ――お兄ちゃんの顔を見てて、おなか一杯になっちゃった。 とは、照れるのでいえなかった。 「ど、どうかな。今日のお夕飯」 「ん、美味い。いつもより手間がかかっている感じだ。それに茸も変わってるな」 「そ、そうかな……えへっ」 そのとき――千歳の手が百歌の頭に触れた。 「お兄ちゃん……?」 「いつも、ありがとな。家事が全然できないから、俺は。役立たずな兄貴のために……。感謝してるぞ、百歌」 「お兄ちゃん……そんな、私がしたくてしてることだし」 「でも、お前はえらいよ。早くに母さんが死んで、家族の皆は……ほら、あんなだったし……。そんな中で、お前は良い子になった。俺は、嬉しいんだ」 「なら……ごほーび、ちょうだい」 「なんだ? バイト代も入ったし、なんでも買ってやるぞ」 「百歌に、『好き』って、言って」 「なんだ、そんなことか」 勇気をもって提案したのに、千歳は簡単に承諾してしまった。 「百歌、俺はお前が大好きだぞ」 にっこりとして言う千歳。 「お兄ちゃん……! 私も好き!!」 そんな兄に、百歌は飛びついた。 なにもかもが、平和だった。 めでたしめでたし